推理小説のご紹介 part2
- 2020.11.16
- 読書
今月はおすすめの推理小説をご紹介します。
前回に引き続き東野圭吾さんの小説です。文字が小さく分厚いので気後れする方もいるかもしれませんが、東野圭吾の最高傑作と言われているくらい読み応えのある作品なので、ぜひ読んでいただきたいです。
『白夜行』 1999年8月発売
~あらすじ~
愛することは「罪」なのか。それとも愛されることが「罪」なのか。1973年大阪の廃墟ビルで質屋を経営する男が一人殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りしてしまう。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂――暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んでいくことになるのだが、二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪の形跡。しかし、何も「証拠」はない。そして十九年の歳月が流れ……。伏線が幾重にも張り巡らされた緻密なストーリー。
引用:amazonより
ドラマ化・映画化している作品です。この作品で一番面白いと思うのが、物語の中核にいる亮司と雪穂の心情が一切描かれていない点です。
2人が会話をする場面さえ描かれておらず、とりまく人たちの視点のみなのですが、 亮司と雪穂が長年確固たる絆で結ばれており、かつ闇深く、水面下で様々な事件に関与していることが分かります。
(あまり書くとネタバレになってしまうのでこの程度で…)
どちらかに関わったことで取り返しのつかないほどに不幸になる人がたくさんいて、かなりダークな話なのですが、その分読みごたえがありますし、特に最後は衝撃的なものになっています。
一方、ドラマでは、小説では一切描かれていなかった亮司と雪穂の視点で物語が進んでいくので、残酷なイメージしかなかった2人とはまた違った印象を受けます。
どちらもおすすめですが、できれば小説から読んでいただきたいです。
『幻夜』 2004年1月発売
~あらすじ~
おまえは俺を殺した。俺の魂を殺した――1995年、阪神淡路大震災。その混乱のまっただ中で、衝動的に殺人を犯してしまった男。それを目撃していた女。二人は手を組み、東京に出ていく。女は、野心を実現するためには手段を選ばない。男は、女を深く愛するがゆえに、彼女の指示のまま、悪事に手を染めていく。やがて成功を極めた女の、思いもかけない真の姿が浮かびあがってくる。彼女はいったい何者なのか――謎が謎を呼び、伏線に伏線が絡む。驚愕のラストシーンまで一気呵成の読みごたえ。ミステリーの醍醐味にあふれた傑作大長編。あの名作『白夜行』の興奮がよみがえるミリオンセラー。
引用:amazonより
こちらもドラマ化(WOWOW)しています。
白夜行の続編と捉えられており、主人公の「美冬」はその残忍さから白夜行に登場した「雪穂」ではないかと言われています。
自身がのし上がるためには容赦なく、恋人・同志ともいえる雅也も平気で犯罪の駒にします。
むしろ雪穂よりも残忍さが増しており、目を伏せたくなるシーンも……
また、白夜行の時とは違って、美冬と手を組む雅也の心情はたくさん描かれています。
美冬に対する真摯な想いや葛藤する姿、壊れていく人生・・・読んでいて可哀想に思えてくるほどです。
白夜行と同じく、重い話で読むのに時間がかかるかもしれませんが、かなり読みごたえがあるので、長期休みにでも2作合わせて読んでみてください。
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